上を向けば、少しはいい事がある。

地下役人の仕事

今日も微妙な残業。

銀行と契約更新について交渉していた。うちに不利な文言の削除を要求しているが、

銀行側は取り付く島もない。

「上にこんな内容は出せません。業務改善してそちらで対処してください」

などと言われる。

不当、とまで言えるのかわからないが、かなり不利な内容で契約してしまっているため、こちらとしては解除したい。

不利な契約を結んでいて、それに基づいてこちらが業務改善するのは納得がいかない。まずは不利な契約を解除すべきだ。’双方合意ができない場合は協議する’という契約文言があるのだから、協議するまでのこと。ここは譲れない。

銀行は銀行で絶対に受けないという姿勢なので、膠着状態が続く。

『印を付いた文書を出すので、組織対組織で正式に調整しましょう。』

と持ち掛けた。要は戦いましょう。っていう宣戦布告をしてみたのである。

こんなやりとりを先週からしているが、今日は動きがあった。

「文書を出されるのは困る。折り合える点はないものでしょうか?」

よし、とりあえず交渉の舞台に上げることはできた。やはり上の人間に文書を出されるのは嫌らしいな。上司を説得して、ダメ元で文書を作った甲斐があったわ。

このセリフをこの曲者営業から吐き出させられたのは、俺の中では成果と言える。

まぁ、まだ舞台に立っただけなので、勝負はこれからなんだけど。

それにしても、交渉はくたびれる。

銀行に限ったことではないが、契約の交渉とか金が絡む話になると、相手も易々とは譲らない。明らかにおかしい内容であっても、屁理屈をこねまわしてでも正当性を主張してくる。

その執念みたいなものをぶつけてくるので、非常に不快だし、疲れてしまう。

「契約書になくても、支払ってもらう。

 でも、自社に不利になる事は、契約にあっても履行しない」

ここまではっきりと言葉では言わないが、結局これと同じことを暗に言ってくることはよくある。よく考えれば無茶苦茶な話だが、注意していないと騙されてしまいそうになる。小賢しい奴に限って、この辺の言い回しが上手い。

当然、そんな要求は受け付けないし、やるとなったら法務と組んで出るところに出ればよい。

とはいえ、そこまで行くのは相当の場合だ。毎回毎回、ゴロツキみたいなやつらといちいち裁判なんて面倒でしていられない。

そんな不毛な事を考えながら、歩く帰り道。

西の空にやたらと明るい星が2つ光っている。

今流行りの気球的なやつかな?と思ったが、ネットで調べたら金星と木星らしい。

この二つの星が近くで見られるのは珍しいのだそうだ。

『天体の運行に比べれば、職場の出来事など些末なことよのう』

…などと、悟ったりは全くしなかったが、

気持ちは切替わったので、夜ご飯の定食は、仕事を忘れて美味しく頂くことができた。

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