吊りバンドとも言うらしい

今日は年に2度ほど開催される、先輩との差し飲み会の日である。
といっても俺はお酒が飲めないので、食うだけだが。

この先輩は4~5歳年上で、役所にも4~5年前に入られた男性職員で、
たまーに世間で見かける、サスペンダーをしているタイプの職員である。
なぜベルトでなくサスペンダーなのかは謎だ。
今日聞けばよかったが、なぜか聞く気になれなかった。

このサスペンダー先輩は物腰は柔らかいが、引っかかることがあると上司にも意見する人で、
その辺が反映されて、まだ係長になれていないのではないか。と勝手に思っている。

「上司に嫌われると出世できない」というのは都市伝説のようなものだと思っていたが、
上司が下からの意見や注意を、悪意としか受け取れないようなしょぼい奴だと実際にそうなる。20年近く役所にいるが、ようやくあれは気のせいではなく、本当に上司に嫌われているから出世…上の役職になれない。そういうことが本当にあるのだ、と実感するようになった。

本人は出世したくないようで、「このまま退職まで主査でいい。君の下で働いても全然良い」と言っていた。

サスペンダー先輩といつから仲良くなったのか、正確には覚えていない。
同じ課にいたので、ちょくちょく話をすることはあったが、仲良くなるには時間が掛かった。
サスペンダー先輩が、課内の通知文書をパワーポイントで、文字と色だけで4コマ漫画のように面白おかしく書いていたことがあった。「最後に帰る人は鍵を掛けましょう」みたいな啓蒙の通知だったと思う。

仕事の通知、普段なら面白くなりようもないものだが、読んでもらおうと思って作っているのがわかる作品だったので、『あれ、面白いですね』みたいに声を掛けたのが、仲良くなったきっかけのような気がする。

週に1、2回、庁内チャットが送られてきて、課内の様子や最近の出来事をやりとりしている。
サスペンダー先輩は文章に対するこだわりが強く、退職までに物書きになりたいと言っていた。
そのせいか、送られてくるチャットの内容は、短編小説のようになっており、俺が書く文章よりずっと長い。
仕事の内容が多いため、ネガティブになりがちだから、毎回楽しいわけではないが、愚痴が多くても面白い文章になっていることもあり、参考にさせてもらっている。
世界観が非常に独特なので、書き続けていればファンが付くと思う。

それこそ、無料ブログとかnoteとかで書き溜めてはどうか?と勧めてみた。
ネットの世界にそういうサービスがある事を知らないようだったので、
具体的にURLでも送っておこう。

文章を書く仲間が増えると、励みになる気がする。

まぁしかし、俺は見えない力とか死ぬほど怪しい事を書きすぎてしまっている。
まだ本性をさらしていないので、サスペンダー先輩が文書デビューしたとしても、相互リンクを張りましょう!とは言いにくいな…。

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