さて、怪しいカテゴリも作ったことだし、怪しい話を書いて行こう。
とはいえ、今日は大して怪しくない瞑想の話をすることにする。
瞑想の何が良いのかわからない。寝ているのと何が違うのか。
昔はそう思っていたが、最近は瞑想に関する本や、世間の風潮も変わってきている。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズさんが密教にハマって瞑想していたとか、
Googleの社内でも瞑想を取り入れているとか、まぁまぁ有名な話ではないだろうか。
そんなこともあり、瞑想に興味を持って、過去に何冊か瞑想の本を買って読んだりして、瞑想にはメリットが沢山あることがわかった。
脳の記憶を司る領域である海馬が優位に大きくなるとか、ストレスが軽減して睡眠の質が向上するとか、しっかりやればトラウマが取れたり、果ては悟りにまで到達するという。
こんな話を聞いたらやってみるしかない。
実際に自宅でやってみたり、ヴィッパッサナー瞑想というお釈迦様がやっていたという瞑想法を、山奥に籠ってぶっ通しで10日間一切の会話無しでやるという、死ぬほど怪しい瞑想教室?のようなものに参加したりもした。
だが今日はその話ではない。その話でもいい気がしてきたが、それはまた気が向いたら書こうと思うが、今日は今日やった瞑想の話である。
今現在、神社仏閣やいわゆるパワースポットと呼ばれる場所に実際に行ったり、
オンラインだったりで、瞑想しようぜ。っていうこれまた奇妙な企画に参加している。
で、今日はオンラインで瞑想しましょう。という日だった。
朝起きて、メールを見てそれに気づいた。
そういえば今日だったけな。
寝ぼけたまま、Zoomに接続、参加者は10名いないくらいか。
主催者が参加者に何やら話しかけていたが、寝ぼけているのでミュートにしておこう。
誰か、いい感じに話して進めてほしい。
…こういう、オンラインの講義などがあるとき、普段は率先して話すようにしている。
だって、俺が企画者側だったら、参加している人が何を求めているのかとか、
温度感みたいなのが知りたいはずだからだ。
だが、俺は起き抜けで眠い。
誰かやってくれ。
冷蔵庫を漁り、バナナを食べながらそう思っていた。
このとき、なぜか俺のZoomのミュートが解除されていた。何なら映像もONだったかもしれない。
「ミュートしていないエムさん、前回からの感想とかありますか?」
みたいに話を振られた。
まずい。話す想定をしていなかったため、しどろもどろで前回瞑想したことを必死で思い出す。
『自分が小さくなったような感じがしましたー』
何だこのしょぼい感想。嘘ではないが、場に合っていない気がして恥ずかしくなる。
その後、別の真面目な参加者たちが話し始め、何となく場が温まって行った。
今日は祝詞を唱えて瞑想するというものだった。
先生が祝詞を奏上し、参加者も各々が祝詞を上げる。
その後、瞑想。
瞑想は25分くらい行う。
この企画の瞑想は、椅子に座ったままでよく、正座とか特殊な座り方とかをする必要はない。
作法はあるが、簡単で誰でもできるように設計されている。
企画に参加しているくせに俺は不真面目なので、よく普通に眠ってしまうのだが、
今日は深く瞑想できた。
何をもって瞑想の成功と言えるのかは諸説あると思うが、
瞑想中、非常に緩やかだが心地よい感覚が出ていたので、たぶん成功と言えるだろう。
脳内麻薬のセロトニン的なものが分泌されていたのだと思う。
瞼に映る映像は白く、自分で本をめくっているような映像が見えた。
本をめくる指は細長く、女性のように思えた。
これまですぐ眠っていた瞑想と違って、白い世界にしばらく浸っていた。
…!
けたたましい電子音がして、身体が驚いて一瞬痙攣した。
どうやら瞑想の時間が終わったらしい。
…もうちょっと優しい合図でもいいのでは?
と思ったが、たぶんZoomの仕様の関係で、おりんや鈴の音が入らないからだろう。
「どうでしたか? 感想があれば教えてください」
主催者に言われたが、最初の拙い発言を思い出し、何か恥ずかしくて言い出せない。
いや、今こそ発言するべきだろう。
ちゃんと瞑想できた気がするし。
そう思ったが、機を逸した。
瞑想で気持ち良いと思ったのは初めてだと思う。
呼吸や姿勢も大事だが、心の置き所みたいなのが重要だと思った。
呼吸に集中する。とか、出てきた雑念に囚われない。とか、
瞑想のやり方でよく言われることだが、
今日は松果体を意識してやったのが良かったような気がする。
何とも具体性に欠ける説明になってしまうが、何か気持ち良かったので、
これからはもう少し、真面目に瞑想することにしよう。
コメント