開花、覚醒、そして煩悩

最近怪しい話ばかり書いているが…また怪しい話を書くことにする。
今、己の浄化というものをやっている。
魂にこびりついた重りを除き、魂を軽くしていく。というものだ。
進捗の状態に名前が付けられており、一定の軽さに到達すると、開花。
更に軽さを高め、ようわからん条件を満たすと、覚醒。という状態になる。

…らしい。

個人差はあるらしいが、開花すると非常にハイになる体感があり、
覚醒すると麻薬でもやってるような恍惚的な状態になるという。
そして何より、「生きやすくなる」のだそうだ。

これは面白い。
そう思って浄化なるものにチャレンジしていたのだが、
まぁ、よくわからない。

何をどうやったら浄化できているのかがわからないのである。

「魂に合わせて、違和感を捉えるんです。ふわっとなったら完了です」

…えっ?もう一回言って?
魂に合わせるとは?
ふわっとなるとは?

開始から4か月くらいになると思うが、要領を得ない事この上ない。
ただ、以前にも書いたと思うが、うまく行ったときは謎の涙が出たり、
感情に関係なく嗚咽が始まったりする。

なので、何かはあるのだが、能動的に「浄化」することが非常に難しい。

で、俺の方針を決めることにした。

『諦める』

である。

だって、わかんねーもん。
というわけで、早々に浄化を諦めて、全然別の術である方位取りをやりに出掛けたりしていたのである。

方位取りは条件がいくつかあるが、移動する方角や時間等の条件が明文化されており、
出来た/出来ないがはっきりわかる。
方位取りで毎回体感があったりはしないが、少なくとも方位取りという術の発動条件を満たせたことは、
主観的にわかるわけである。

しかし、浄化はそうは行かない。
人によって魂にこびりついている重りは個数も属性も違い、
自分で対象を特定し、浄化の開始も終了も基本的には自分で決めないといけない。

もちろん、後で先生に聞けば、「出来てる」、「出来てない」の判断はしてもらえるが、
こびりついている重りはいくつもあるし、重りを『捉えた』かどうかは主観的な判断が必要になる。
まぁ、毎回、掴んだと思うたびに、先生に連絡して確認すればよいのだろうが、
連絡している間に捉えた重りを手放してしまう可能性もある。

そんな感じで見えないものに対してやる事なので、どうにも『出来た』感が持ちにくいのである。

なので、一旦諦めた、というわけだ。

とはいえ、浄化出来たときのメリットは大きいし、
感情と関係なく嗚咽したりするこの現象は非常に興味深い。

何とかもっと楽をして浄化する方法はないだろうか?

方位取りは車を使う場合、長い時間運転することになる。
この時間中に浄化出来ないだろうか?

浄化用にチャクラを活性化させる謎の音源があるのだが、
中東の方の宗教じみた音楽で、マントラみたいなのをひたすら唱えているものになっている。

これを聞き続けるのは中々苦痛である。
まぁ浄化が目的なんだから、歌詞をかみしめるように聞く必要はないのだが。
とはいえ、曲も単調なので、すぐに飽きてしまう。

なので、普通に邦楽を聞きながら移動していた。
好きなアーティストの曲をランダムで流していたのだが、
特定の曲、特定の歌詞に心が反応する。
まぁ、よくある事だと思うが…。

これ、浄化に使えるんじゃないか?

特定の曲や歌詞で、少し悲しい気持ちになる。
そこを捉えて、一体化する。
ここで歌詞に気を取られてはいけない。
歌詞はトリガーに過ぎないので、歌詞の世界に入ったら浄化すべき対象がどこかに行ってしまうのだ。
浮かんできた感情にだけフォーカスし、一体化を行う。

うまく行くと、ボロボロと涙が出てくる。
色んな思いが去来するが、無視。
無視というか、思考しない。悲しいなら悲しいを味わう。
浮かんでくるストーリーみたいなものに意識を持って行かない。
流す。瞑想のような感じだ。

時々、涙が目に染みて目を開けていられなくなったりする。
運転中、たまに高速道路だったりするので、事故しないように
一体化し過ぎにも注意が必要だ。

ずっとやっていたら、涙も止まる。
少しずつ感覚がなくなっていき、同じ曲や歌詞を聞いても感情が湧かなくなる。

これは使える。

これで浄化になっているのでは?

以前に方位取りをした日、車に乗っていると妙に気持ちが軽く、ふわふわと浮いているような心持ちになっていたような事を書いた。
ただドライブしているだけで気持ち良いという、変な薬でもやっているかのような感覚だ。
まぁ薬よりは体感弱めなのか知らないが、運転中ずっと心地よい。
心地よさに身をゆだねると、泣いてるとき以上に事故をしそうになった。

これはヤバい。

というか、これはうっかり開花してしまったのでは?

先生に連絡。

「写真プリーズ!」

写真を送ると、程なくして連絡が。

「オーラは非常に軽い」
「でも魂の浄化はこれからです」

あ、そう。
何だ、やっぱり車内浄化では取り切れないものがあるのかな…。
でも気持ちいいんだけどなぁ。

家に帰り、浄化用音源を聞きながら真面目にやってみるが、
全然浄化出来ない。というか、対象が見つけられない。
そして眠ってしまう。

やはり俺に浄化は無理か…。
でも何か気持ちいいし、何でか知らんけど職場の人間関係もやたらと良くなってきたし、
このまま死んだとしても、以前の状態で死ぬよりはましな気がする。

…急に死ぬとか言い出したのは、「浄化が進んでないとこの世から淘汰される。」
という、終末論みたいな話を聞いていたからだ。

死ぬって言われてもなぁ。まぁいいか。
みたいな、変な感情で過ごしていた。

一昨日、エネルギーの先生から、浄化の進捗報告会みたいなのをオンラインでするという通知が来た。

あれから進んでる気がしないけど、一応参加しておくか。

「事前に写真を送ってください」

ま、変わってないけど送っておこう。
あれから浄化が進んでないからちょっと恥ずかしいな。と思いながら送信。

「開花してますよ」

…え?何ですと?

「実は前回の写真の時に開花してたんですよ(笑)」
「言わなかったらもっと頑張るかなーと思って」

なんと!
「(笑)」じゃないだろう!
もう浄化の何たるかがわからなくなってしまっていたというのに…
既に開花していたとは…。

嘘つきじゃ!

「いや、嘘つきってわけじゃないですよ…」

苦しい言い逃れをしおって…
先生とのやり取りを改めて見直してみたが、確かに一言も、

「開花してない」

とは言っていない。「浄化はこれから」みたいにしか言ってない…。
とはいえ、ミスリードじゃねぇか!

まぁ、開花してるんならいいけどさ…。
でもどうやら俺の潜在意識は覚醒を望んでいないようだ。
もともと見えない世界に興味があり、超人願望や変化することに好奇心をかき立てられるのだが、
何故か、覚醒に関しては渇望が湧いてこない。
俺の表面意識的にも、このままでいいか。と思っている節がある。

先生がぼそっとこぼした。

「覚醒したら、お金回りも良くなるのに…」

何と!それは話が違う。

その話を聞いて、俄然覚醒したくなった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました