今日は母親と兄家族と一緒に、母方の墓参りに行った。
年に数回、母方の墓参りに行く。
昔から、母方の親族とは疎遠だった。
俺たち家族は元旦に母の実家、俺からすれば爺さん婆さんの家に行く事は許されていなかった。
従妹はよく東京ディズニーランドに連れて行ってもらったりしていたようだ。
俺は兄と二人兄弟だが、一度も連れて行ってもらったことはない。
別に行きたいわけではなかったが。
小学生か中学生の頃の話で、市営アパート暮らしの俺たちには、東京ディズニーランドなんて現実感のある話ではなかった。
親族なんてものは、こういう差別をするのが当たり前だと思っていた。
そんな母方の親族なので、俺は何の感情も持っていない。
それでも母親にとっては自分の親の墓であり、姉妹の墓なので、
行きたいと言う。
それは理解できなくはないので、
墓参りに行きたいと言われれば、日程調整して連れて行く。
それが今日だった。
最寄りの駅までは母親が電車で来るため、車で迎えに行き、
母方の墓がある墓地で、兄家族と待ち合わせをしていた。
兄家族が先に墓に向かい、母親が続く。
俺は買ってきた仏花を持って、最後尾にいた。
兄家族がざわついている。
「墓がなくなっとる!」
ほう。
墓があった場所には、敷き詰められていた玉砂利もなくなり、
大理石っぽかった墓石もなくなっていた。
コンクリートの残骸がバラバラと残っているだけだ。
小学生の甥っ子たちが、
「なんでお墓がないのー?」
と無邪気に瓦礫と化した、墓があった場所に転がっているコンクリートの破片で遊んでいた。
俺は甥っ子たちに注意することはほとんどないが、
その瓦礫は触らない方がいいぞ。
と言っておいた。
これは叔母の仕業だろう。
去年だったか、叔母と話す機会があったが、
普通に頭の回転の速い女性、という感じだった。
ただ、話していて思考の方向性が強いというか、
独善的な印象を受けた。
母方の家は、女姉妹で墓守はいなくなる。
恐らく「善意」で墓仕舞いをしたのだろう。
いや、善意ですらなく、叔母が墓の手配をしたのだから、
墓仕舞いも手配した。そう考えた方が合点がいく。
俺たち家族に連絡するという発想もなかったのではないかと思う。
「そんなわけないでしょう」
「被害妄想では?」
と思う人もいるかもしれない。
この叔母さんは、
爺さんが死んだとき、連絡をよこさず葬儀を済ませていた。
婆さんが死んだとき、同じく連絡はなく墓石に名前が刻まれて発覚した。
もう一人の叔母さんも、いつの間にか墓に入っていた。
そういう人なのだ。
俺は一度話をして、人となりを理解した気になっているから、
本当に怒る気もしない。
でも、なんだかとても疲れてしまった。
俺の母親にとっては、
実の親であり、姉妹の墓である。
それを…母親の事を考えると、少し不憫に思う。
鬼畜
雑記
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