指示待ち人間の話ではない

今日は一日眠かった。

早朝に変な夢を見た。
自分が見たことあるような無いような俳優になっていて、
余命いくばくもなくて、手術をするだのしないだの言っていた。
それをドラマのように眺めている視点もあり、
その視点の俺は生まれ変わっていて、未来の自分が過去の自分を見ているという、
過去と未来が同時進行している不思議な夢だった。

起きてからは強烈な寝不足感。

しかし他部署が取りに来る金庫を準備しておくという係の当番なので、
早目に出勤。

不愛想に『おはよーございまーす…』と、眠そうな感じを隠すことなく挨拶。

みんな気を遣っているのか、俺に興味がないだけか、無反応。

課長が話し掛けてきた。
この4月から課長がやり手に代わった。
基本理路整然としており、必ず法的根拠を調べた上で話してこられるので、
俺の勝ち目がない事が多い。

まぁ、勝ち負けではないのだが、俺の起案にご意見を頂くときなど、
「ここはこう思うんだけど…」
みたいに切り出されると、大抵課長が正しい。

なので、ぞんざいに扱えないのである。
上司をそもそも適当に扱ってはいけない気もするが、それはそれだ。

「銀行の要求してきている件は、市長に報告した方が良いと思うんだよ」

あ、そうすか。
まぁそうかもしれない。

…。

…で?

終わり?

「報告した方がいい」とは、市長報告を作れ。という意味なのだろうか。

「総務から通知が来てたよ」

何の話だ?
調べると、総務課から市長報告のやり方について資料がメールで来ていた。

読むと『原則、所属長が個人アカウントで報告すること』となっている。

うん、俺は所属長ではない。所属長は課長である。
つまり、市長報告の作成は俺の仕事ではない。

そう理解した。
総務の文章的にも間違ってはいない。

ではあるが…課長の性格からして、これは俺に「市長報告の作成を頼んだ」という認識になっている気がする。
「報告した方がいい」としか言われていないし、資料もそう書いてある。

ああもう!

課長に確認する。

『市長報告は、私に作れということですよね?前任の課長も自分で作られてましたし、
 総務の資料にも課長のアカウントで報告せよ。となっていますが』

「僕が出したらいいの?」

そうだよ!と思いながら、嫌な気配を感じた。

『では私が作成して起案します。課長名で私が出しますよ?』

うなづいていたので、やっぱり俺に作れということだったのだろう。
いや、市長報告くらいすぐ作れるよ。
だけど、課長の意向を汲み取って市長にわかるように説明するのはそれなりの文章力ってもんがいるんだぜ…。
わかってんのかな~。当事者のあなたが書いた方が適切だと思うけどなー。

課長は「報告した方がいい」としか言ってないんだよね。
察せよ。ということかも知れないが、
「やってください」いや、「やれ」でもいい。
決断して指示してほしい。

察することはできるけど、相手が部下でも少なくとも意思は言葉で伝えてほしい。
命令するのが嫌なのはわかるが、察して行動するのは頭も使うし心も使うのだ。
上司はやらせる立場なんだから決断する消耗くらいしようぜ。

察せよ。ってのはちょっとずるいよ。
と自分の事は棚に上げて偉そうに思ってしまった。

ただ、俺は係員に指示を出すときは、『これを作ってくれない?』とか、
相手に意思を伝えるようにしている。
『この資料あった方がいいな』
って呟いて終わりにはまずしない。

いや、面倒くさくてそうすることもあるかもけど、
課長はいつもこんな指示…指示になってないと思うが、
こんな調子である。

課長は話してたら頭いいし、仕事のやり方は堅実で頭が上がらないのだが…
あ、これは意趣返しじゃないぞ。
指示は大切だと思うのです。

こういうのを振り返って、自分がそうならないようにしたらいいじゃん。
って、なるんでしょどうせ。
わかったよ、気を付けますよ。って、これは自分に言っている。

おわり。

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