仕事の話を書いていたら自己嫌悪になりそうになった話

地下役人の仕事

ここ最近、銀行の営業担当と戦っていた。

銀行に有利な内容の一方的な契約になっているから、協議して是正しようとしている。

前も書いた気がするが、銀行側が単価を好きなように設定できる内容になっているからだ。

上司は憤ってはいるものの、契約は変えられないから諦めて支払おう。

というスタンスだった。予算残があるから、というのもあるようだ。

俺は、抵抗することを主張。

契約している以上、変更を飲ませるのは無理だという気持ちはわかる。

契約は履行する義務がある。そりゃそうだ。

でも元の契約内容がおかしいのだとしたら、是正しようとしないのは怠慢ではないか?

少なくとも戦う姿勢を見せなければ、相手方、銀行の言いなりになってしまう。

そんな理不尽なもの、契約しているから従わなければならないなんて俺は耐えられない。

手数料の額が市全体で考えれば微々たるものであっても、唯々諾々として支払い続けていれば、銀行を儲けさせてしまうだけだし、舐められて次々に都合のいい要求を飲まされることになるだろう。

そもそも手数料の源泉は税金である。

「予算が残っているから払ってもいい。」なんて、俺たち役人が言っていい事ではない。

自分の金だったらまだわかるけど、税金は預かっているお金なのだ。

俺は別にいい子ちゃんを気取りたいわけではない。

上の人達、特に市長以下の管理職たちはやたらと「市民のため」と連呼している。

市民のためというなら、一方的と思える契約は是正する方向で考えるのが普通だろう。

なので、『銀行がこんな要求をしてくる。理不尽なので支払わない方向で進めたい。』と報告を上げると、

「銀行も利益を出さないといけないから、支払うものは支払わなければならない」

みたいなズレたことを言ってくる。

そりゃ必要なものは払う。でもおかしいものはおかしいと言わないといけないのではないか。それが真っ当な契約相手との間柄ではないだろうか。

「まぁ言うのは言ったらいい。でも銀行はどうせ聞かないよ?」

みたいに言われた。一体どっちの味方なんだろう。

まぁいい。言うのは言っていいんだな?

一応言質は取れたので、交渉を続けた。

最終的な調整の結果、年度内および来年度の値上げの免除をさせることに成功した。

詳細は全部書けないが、本店、支店、営業、直接やりとりする担当者、それぞれと話をして、

銀行内のパワーバランスを把握して、それを元に営業を追い詰めて、たまに寄り添い、ようやく妥協点を引き出した。

上司は一応認めてくれているが、「銀行のやり方はひどい。今後も値上げしてくるに違いない」みたいな愚痴を言うばかりで、値上げの免除を勝ち取ったことを褒めてくれたりはしなかった。

ちなみに今後、急な値上げがあった場合は、協議してこちらが認めない場合はすぐに支払ったりはしない。という話も付けているのだが…。

俺は上司に褒めてほしかったのか?

発想がしょぼいかもしれないけど、ちょっとは褒めてほしかったなぁ。

俺がやらなかったら、値上げ分を絶対払ってたと思う。

課長は支払う算段をして、他部署の課長に年度中に支払いが増えるって通知出して、みずから説明しに行ってたくらいだから。

何だか、『俺が俺が』になってるなぁ。

やっぱりそういうのは醜い。トータルで市のためになったはずだから、オッケーではないか。

功績を認めてほしいなんて、少し悲しい、痩せた考えのような気がする。

何ともやりきれない気持ちになっていたのだが、廊下で別の部署の後輩に出会ってこの話をしたら、

「すごいですね!」

って褒めてくれた。

何か、後輩だから先輩に対する忖度もあったかもだけど、とても報われた気がした。

あー、今度部下が頑張って何かやっていたら、絶対褒めるようにしよう。

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