同じ穴のムジナ

雑記

今日は昼前に、学生時代の友達からLINEが入った。
仕事中だから基本的にLINEは見ないが、スマートウォッチの表示が友達の名前だったから、
まぁちょっとくらいいいだろう。とLINEを確認。

仕事で近くまで来ているから、昼飯でもどう?

なるほど、いいじゃないか。
そんなわけで、職場で友達と落ち合う。
市役所のロビーで待ち合わせたが、人が多く対象が判別できない。
学生時代の友達と言っても、年に数回は会うので、顔が分からないなんてことはない。

まっピンクのポロシャツを着た変な男が近づいてくるので、
顔を確認したら友達だった。

『何なん?このシャツ、自前?』

「いや、制服…」

介護用品を販売している会社って言っていたから、まっピンクなのか。
老人の視認性のためだろうか。わからん。
ピンクの制服の胸に「補聴器あります」ってバッチを付けており、
名札をぶら下げていて、友達のフルネームがしっかりしたゴシック体で書いてある。

休憩中なら外せばいいのに、と思うが、まぁ公務員とは感覚が違うのかも知れない。
市職員は職員だってことがバレるのを嫌う人が多い。
まぁ…町で会った人が滞納者だったりして、難癖付けられることがあるからなのだ。
自分が担当している町には買い物にも行かない。っていう職員もいる。

まぁいい。

そんな名札をだらしなくぶら下げた友達と、
昼飯を食べに店に向かう。

俺の行きつけの小料理屋は、大将の奥さんが流行病に掛かってしまったそうで、
昼の営業を休んでいるから、普段あまり行かない店に向かう。

通りにあるディスプレイで、「ランチ1,000円」の看板を出している店に決めた。

最近できた店の様で、俺も入ったことはない。
店内は小ぎれいで、掘りごたつの座敷が4~5席、テーブルも同じくらい。
後はカウンター。

店に入った瞬間、消毒液のような匂いが鼻につく。
何か、食べ物屋の匂いじゃない感じに心が折れそうになるが、
友達は気にしている様子はない。

定食は肉定食、魚定食、カレー定食、の3種があり、
俺は肉定食、友達はカレー定食を頼んだ。

メインの肉料理、サラダ、小鉢が3つと種類が多く、
味も悪くない。

結構いい店かも知れない。

後から来た客が、会釈してきた。
ああ、やたら姿勢の良いこの人は。
行きつけの小料理屋で会う常連の客のひとりだ。

ほとんど話したことはないが、見かけると会釈する。
それだけの関係性だが、悪いものではない。

数分後、別の客が複数名来店、近所のサラリーマンたちであろう。

「3ですけど?」

大きめの声、何が「ですけど」なんだ?と散々イライラさせられた記憶が蘇る。

『「3人ですけど入れますか?」だろーがよ!』と、何回思ったことだろう。
略して、3ですけど?しか言わないやつ…俺はこいつを知っている。
食事中に喋る声も無駄にでかいし、どうにも好きになれないタイプだ。

こいつらも、行きつけの小料理屋の常連である。

何だ…この店の客、全員ってことはないだろうが、行きつけの小料理屋の常連たちじゃあないか。

行きつけのお店とこのお店は、方向が全然違うというのに、
俺も結局こいつらと同じ行動パターンを取った。ということか…。

行きつけの店だと、またあのうるさい奴が来やがった。
くらいに思っていたが、初めて行く店で一緒になると、
心のどこかで仲間意識みたいなものが芽生えている気がした。

「3ですけど?」はイラつくが。

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